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共同実験(Joint Experiment)

インドネシア南スラウェシ州ラエラエ島における動物プランクトンのサンプリング調査(2018年3月10日)

1 ラエラエ島とは

ラエラエ島は、南スラウェシ州マカッサル市にある小島で、日本軍の遺跡の歴史があります。島の総面積は約6.5ヘクタールで、約2,000人が住んでいます。この島は、マカッサル市のロッテルダム要塞に地下トンネルで繋がっている戦争遺跡です。現在、ラエラエ島には、地元住民、特に週末休暇を過ごすためにマカッサルから多くの人が訪れる憩いの場です。島の北西から南に伸びる防波堤を含め、四角い形をしているのが特徴です。第二次世界大戦中は、島は防衛基地として日本軍に使用されました。またラエラエ島はバンコア埠頭から約1.5kmの位置にあり、船で約10〜15分のところです。

2 ラエラエ島に、渡るのは今回が2回目です。ハサヌディン大学(UNHAS)の学生さんと、動物プランクトンの調査をすることを目的に、最初は2017年の1月に行きました。今回は、約1年ぶりになりますが、2018年1月AOSE2018(Aquaculture Overseas Student Exchange) で総勢22名の学生と講師の先生が来日されたことがきっかけで、そのフォローアップでマカッサルに行きました。前回の動物プランクトンの採集調査に加えて、底生動物(ベントス)の採集調査と気温、湿度、水温、化学的酸素要求量(COD)、水素イオン濃度(PH)の測定をしました。調査結果は近々公開致します。

3 私は、マカッサルに行くと、ここのところBest western plus Makassar Beach Hotel に泊まる事としています。朝8時ホテルに7名の学生さんに来てもらい、すぐに車でバンコア埠頭に行きました。場所は、ロッテルダム要塞を通りを挟んだ前あたりになります。すでに埠頭には、船外機を付けた船が何艘か停泊していて、学生さんに良さそうな船を選んでもらって、すぐに乗船しました。船は水飛沫をあげて一路ラエラエ島に向かいます。事前に調査ポイントを10か所選んでおいたので、今回は反時計回りに、調査をすることになりました。

4 サンプリングした場所は、携帯電話に搭載したGPS機能を使い記録しました。北西に細長く突き出た堤防のうち、1か所は、調査することが困難でしたので、結果9か所のサンプルを採集しました。第1回の調査の時は、プランクトンネットを横引きする方法と、表層の海水をプランクトンネットで濾過し濃縮する二つの方法をとりましたが、今回は鉛直方向に引き揚げる方法で採集しました。

5 実験の方法

プランクトンネットは、ハサヌディン大学に用意してもらいました。CODは、パックテストの低濃度の試薬で測定しました。気温と湿度は、デジタルの温度計、水温は棒温度計で測定しました。ベントスは、海底から白いプラスチック製の皿で採集し、1ミリ目合いのネットでふるいにかけました。PHは、日本からデジタル式のPH計を持参し、小数点以下2桁の値を記録しました。採集したサンプルは、容器に入れ、分析をするホテルへ持ち帰って分析することとしました。

防波堤は細長い。テトラポットが消波効果を高めている。今回は8名で調査した。ファジャール、ファイサル、イルファン、アムリ、アリフ、アヌグラ、イムラン君と私が担当しました。

足場はあまり良くないが、波は穏やか。勇敢な学生さんがプランクトン採集に挑んでくれました。

ホテルに戻り、アデ、ヌルデラ、ウミさんが、携帯顕微鏡を使ってサンプルを解析してくれた。どんな発見があったかは、次回報告します。(了)